第3弾のキャラクターデザインは、カラフルでビビッドな色彩表現を得意とする
イラストレーター・くるみつさんにお願いしました。
まずデザインの方向性を決めるため打ち合わせを行います。
本企画はなるべくデザイナーの創りたいものを重視する、そしてそれを最大限実現していくコンセプトのため、
弊社からは特にデザイン面に関して要望は出していません。
そして打ち合わせの結果、【原宿系+呪い】というテーマで行くこととなりました。
なかなかに見ない組み合わせで面白いテーマですね。
初期ラフです。
当初は情景なども盛り込んでボリュームのあるフィギュアにする案もありましたが、
最終的には極力シンプルにし、ポーズもあえてあまり動きをつけずにキャラデザのみで魅せていく方向性となりました。
そして最終的に提出いただいた完成イラストがこちらです。
くるみつさんのポップでカラフルなイラストをぜひ立体化したいと思い
今回Pi.gure第3弾のキャラクターデザインをくるみつさんにお願いしましたが、
期待以上のデザインで仕上げていただきました!
ビビッドなカラーリングは発色の良いフルカラー3Dプリンタと好相性です。
このイラストの雰囲気を3Dモデルでいかに表現するかが本企画の肝ですね。
では3Dモデルの制作過程を見ていきましょう。
各パーツそれぞれの制作の様子は省略して、こちらが大まかに形状をとった状態です。
基本的にMetasequoiaというモデリングソフトを使用して制作しています。
スニーカー、ぬいぐるみ、パーカー部分の造形は、曲面が複雑だったりシワの表現がMetasequoiaでは難しいため
Zbrushというモデリングソフトを使用しました。
その他、台座のパイプ状のパーツはMetasequoiaのアーマチャー機能を使って制作しました。
色を置いた状態です。
頭部のツインテールは当初Metasequoiaでの制作でしたが、球体の溝をテクスチャで済ませてしまうと
のっぺりして味気なかったため、Zbrushで溝を彫りました。
モデルがある程度出来た段階で、くるみつさんに見ていただいて調整点などを確認していきます。
ひとまずモデルが完成しました。
概ねモデルが完成したらフィギュアのテスト出力を行います。
3Dフィギュア制作において、画面上だけでは気付けない点も多く、実際に出力してみての調整は必須となります。
ではモデルデータを出力していきます。
最初に出力したサンプルです。
CMYK原色に近いような明るい色も、鮮やかに出力できています。
今回要調整とした箇所は以下です。
・真上から見た際にツインテールの動きがなく単調なため、若干前後に振って動きをつける
・アイラインが画面上で見るより太って出力され、悪目立ちしているため修正
・肌やグレー等の一部の色が想定と違う色で出たため調整、袖口や裾の厚み調整、不足パーツや全体のプロポーション調整
・その他細かい点修正
調整を重ねてモデルデータが完成しました。
そして最終的に完成したフィギュアがこちらです。
色合いは派手ながらも造形自体は至ってシンプルであり、バランス良くまとまっています。
"呪い"モチーフなのもあり、デザインされた「呪」のロゴや各所に刺さる釘などが特徴的です。
3Dプリントだからこそ可能な、分割無し・フルカラー彩色を存分に活かしたフィギュアとなりました。
いかがでしたでしょうか。
フィギュアのその他写真については本サイトのPi.gure企画ページに追加しておりますので、ぜひご覧ください。
>>Pi.gure企画第3弾アーカイブ
また本フィギュアは後日、弊社通販サイトで販売予定です。